IBM in NYC

偶然というのはあるものだと改めて感じた、という一件。



私の気に入っている映画の一つに、キャメロン・クロウ監督のVanilla Skyというのがある。ニューヨークを舞台とする映画なので、今日は街の散策ついでにVanilla Skyに関連する場所を訪ね歩いていた。



ダコタハウスとかタイムズスクエアとか、一目見ればパッと名前まで分かる場所もたくさんあるが、(自分の知る限りは)有名ではない場所でも、映画の重要なシーンに登場する場所がいろいろとあり、中でも映画のシナリオ上、極めて重要な役割を果たすビルがあるので、半端な時間を使って、その建物を探し出してみた。



映画の中では、実際のビルの位置は明らかにされていないが、日本を出発する前にDVDを見直しておいたので、周囲の風景は記憶している。そのビルの入り口からは、通りを挟んで、BEBRYというつづりのロゴのついた建物が見える。フォントからして、バーバリーのロゴだと思われたので、マンハッタンに何店かあるうち、5番街の近くの店舗に行ってみたところ、まさしく映画と同じ風景が広がっていた。

実際に映画で使われているのは、入り口の回転扉だけで、内部については別の建物か、あるいはスタジオ撮影のため、全然違うものだったが、見紛うことのない、まさに、そのビルだった。



さて、ここまでの話だったら、他人にとってはおもしろくもない趣味の世界の話に過ぎないのだが、まだ終わらない。



なんと、その建物は弊社の旧本社ビルだったのだ。この偶然には感激した。かねてより訪ねてみたいと思っていた場所が、自分の会社の(旧)本社ビルだったとは。



080922_IBM_NYC実は、すでにIBMは別の箇所に本社を移しており、建物自体も売却してしまっているのだが、まだ数フロアはIBMが利用しているようだったので、ビル入り口にいた警備員(米国IBMの社員かどうかは分からない)に社員番号を知らせたりパスポートを見せたりして中に入れてもらったりした。







ちなみに、MoMAを訪れたのが今日のメイン・イベントだったが、工業デザインの展示が少なくて、かなりがっかりした。何か見方を間違えたのかと思って展示地図を確認してみたりしたが、やはりthat's itだった。



期待を裏切られた感のあるMoMAだが、館内で無線LANを利用できたのは便利だった。展示内容などについて、その場で調べることができた。

他にも、セントラル・パークでもparkwifiなどという名前の無料サービスが利用できたので、米国では都市部の無線LANサービスが普及していると耳にしていたが、それを実感した。屋外では、喫茶店の軒先でもない限り、直射日光が強いと、反射型以外の液晶では画面を読み取るのが困難だったりして、どれだけ実用性があるかは不明だが、セントラル・パークの芝生の上で無線LANが使えるなどというのは、(心理的に)かなり快適なサービスであるような気がした。