最近見た映画

フィクサー(Michael Clayton)

スティーブン・ソダーバーグがプロデュースしているせいか、映画の終わり方が、ソダーバーグがアカデミー監督賞を受賞した「トラフィック」にそっくりでした。シーンを使い回しているなどと批判しているのではなくて、むしろ、私は「トラフィック」のエンディングに深く感動した記憶があるので、「フィクサー」もよかった、ということです。
勧善懲悪というほど単純ではないのですが、どちらの作品でも、「よい仕事」をやり遂げた男が、緊張をほどいた瞬間にふっと漏らすほほえみが、何ともいえずにカッコイイと思います。(うまく表現できていないのですが、ストーリーをばらさずに書くためには、これ以上具体的には書きづらいものがあります)
作品としての全体的な完成度で言えば、「トラフィック」の方が、はるかに高いものの、本作もハードボイルドな映像を楽しめました。

ボーン・アルティメイタム(The Bourne Ultimatum)

ボーン・アルティメイタム [DVD]

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MKウルトラ計画(Project MKUltra - Wikipedia)的な洗脳作戦の被害者である工作員(?)が、自らのアイデンティティを取り戻すまでの闘いを描く三部作の最終話です。本シリーズでは、派手なアクションと、過剰な演出を抑えた映像がうまくマッチしていて、最後まで飽きずに楽しめました。
Bourneシリーズの脚本家であるトニー・ギルロイが初監督を務めたのが、上記「フィクサー」なので、片方が好きなら、もう片方も好きな人が多いのではないでしょうか。

HERO 劇場版

HERO スタンダード・エディション [DVD]

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木村拓哉のテレビドラマの映画版です。おもしろかったことにはおもしろかったのですが、テレビの2時間スペシャルを無理矢理映画館で放映したような印象を受けました。
なお、一応はテレビとのストーリー上の繋がりがあるものの、綾瀬はるか中井貴一が出てくるシーンは、一切不要だったような気がします。本作は、よほどのファンでない限りは、わざわざDVDを借りなくても、テレビで放送されるのを待ってから見れば十分な作品であると思うのですが、テレビ映画の放送枠に合わせて切り詰める際に、カットする場所の候補として最右翼なのは、綾瀬と中井のシーンだと思います。

アイ・アム・オメガ(I am omega)

アイ・アム・オメガ [DVD]

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ウィル・スミスの「アイ・アム・レジェンド」を見た人が本作を見ると、複雑な心境になること請け合いです。というのも、ストーリーといい、タイトルといい、2作が非常に似通っているからです。車に詳しくないので正しいかどうか分かりませんが、主人公の乗っている車も、同じフォード・マスタングであるようです。言うまでもなく、予算の大きい「アイ・アム・レジェンド」の方が、CGもキャストも豪華な訳ですが、見応えはさほど変わりません。問題は、どちらが先に作られたかという点でしょうか。
この記事によると、アメリカでは脚本家まで巻き込んだ論争が起こっていたようです。以前、「インディペンデンスデイ」が公開されたときも、A・C・クラークの"3001: The Final Odyssey"と酷似したシーンがあり、クラーク本人が後書きで弁明をしたというエピソードもありました。
そういえば、「アルマゲドン」と「ディープ・インパクト」も同時期の映画でありながら、コンセプトが似通っていましたね。これらについて同様の議論があったかどうかは知りませんが、個人的には、「ディープ・インパクト」でモーガン・フリーマンが大統領役だったのが、たいへん印象的でした。10年前には、黒人の米国大統領などあり得ないことのように思えたものですが、いままさに民主党予備選挙を舞台に、それが現実的な可能性となっていることを考えると、隔世の感がします。*1

*1:大ヒットドラマシリーズの「24」でも、大統領は黒人です