エンジニアの死

学生時代、マイクロソフトの萩原正義さんの講義を何回か聴きました。


講義自体のテーマはソフトウェア工学だったのですが、学生を前にした講義の締めくくりとして萩原さんが語っていたことに強烈な印象を受けました。曰く、

学生時代や新人時代に分からないことが沢山あるのはやむを得ないことです。でも、新人と呼ばれる時期を過ぎたあとで、再び「なんだか最近知らない技術用語が増えてきたな」などと感じるようになったら、言い方は悪いですが、その人は終わりです。もう復活は有り得ません。文字通りエンジニアとして終わったのです。エンジニアである以上は、自分が従事する仕事とは別に、たとえ個別に詳しく探求することはできなくても、今生れつつある技術を追いかけて理解し、自分の中で位置づけていることができていなければなりません。ある技術が流行るか流行らないか見極めてからでは遅いのです。準備ができていることが大切で、ある技術が実際に流行ってからでは間に合いません。頑張って勉強してください。

萩原さんご自身も、そのような厳しい姿勢を保って仕事を続けられてきたのでしょう。今の自分に、それができているか分かりませんが、時々思い出しては背筋の伸びる思いがします。


なお、萩原さんは

真摯に仕事に打ち込んでいれば金銭的な見返りは付いてくるから、お金のことは心配しないでください。

とも言っていました。早くこちらの実感も得られるように日々精進したいと思います。


日曜の深夜、色々と思うところがあって書きました。



アーキテクトの審美眼 (DBMagazine SELECTION)

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