ELBのIPv6対応について

AmazonクラウドAmazon Web Services)で提供されているロードバランサーElastic Load BalancingがIPv6対応しました。


当座はUS EastとEU Westリージョンのみですが、Tokyoリージョンなどにも順次展開されていくものと思われます。新しく作成されたELBだけでなく、既存のELBについても自動的にv6対応が行われ、US EastかEU WestのELBを表示させると、以下のスクリーンショットのようになっています。


今まで一つのDNS名しかアサインされていなかったのですが、"ipv6"と"dualstack"というprefixのついた新しい名前が追加されています。

  • my-load-balancer-XXXXXXXXX.[eu-west-1|us-east-1].elb.amazonaws.com
  • ipv6.my-load-balancer-XXXXXXXXX.[eu-west-1|us-east-1].elb.amazonaws.com
  • dualstack.my-load-balancer-XXXXXXXXX.[eu-west-1|us-east-1].elb.amazonaws.com

元々持っていたDNS名はAレコードのみ、"ipv6"はAAAAのみ、"dualstack"はAとAAAAを返します。

% host my-load-balancer-241488968.eu-west-1.elb.amazonaws.com
my-load-balancer-241488968.eu-west-1.elb.amazonaws.com has address 46.137.83.224

% host ipv6.my-load-balancer-241488968.eu-west-1.elb.amazonaws.com
ipv6.my-load-balancer-241488968.eu-west-1.elb.amazonaws.com has IPv6 address 2a01:578:3::2e89:53e0

% host dualstack.my-load-balancer-241488968.eu-west-1.elb.amazonaws.com
dualstack.my-load-balancer-241488968.eu-west-1.elb.amazonaws.com has address 46.137.83.224
dualstack.my-load-balancer-241488968.eu-west-1.elb.amazonaws.com has IPv6 address 2a01:578:3::2e89:53e0


ここで、以前のまま、元々の名前をCNAMEで使っているような場合は特に問題ないものの、新しくELBを設定する場合に「どうせならv6対応しておこう」と考えて"dualstack"を設定すると、国内の一部クライアント環境で接続性やパフォーマンス上の問題が生じる可能性があります。


NTTのフレッツではフレッツスクエアやひかりTVIPv6を使用していますが、v6でフレッツ網の外部と通信ができない場合でもv6のアドレスがアサインされるため、DNSがAAAAレコードを返すホストとフレッツを利用しているクライアントとの通信時に、まずv6で通信を試みて、一度失敗してv4で再度通信を試みるという動作が行われるため、v6対応のホストではwebページの閲覧の際などに遅延が生じる可能性があります。この問題については、NTT公式ページに説明がありますし、このページに詳しい解説があります。


Amazon固有の課題ではなく、また、幸いなことにELBにはIPv4アドレスのみに対応したDNS名も用意されており、いわばOpt-in形式となっています。ただちに何らかの対応が必要になる性質の問題ではありませんが、若干の注意が必要になるかと思われますので、自分のメモがてらblogに書いておきます。


IPv6 Dayに向けた注意喚起に関するリンクを追加(6/2)
フレッツ光ユーザーは6月8日の「IPv6 Day」に注意、Webが見られぬ恐れ | 日経 xTECH(クロステック)
http://recommend.yahoo.co.jp/ipv6day/index.htmlYahoo! JAPAN
http://www.microsoft.com/japan/mscorp/mic/interop/ipv6ie.aspx(日本マイクロソフト