「弊社」の社長と敬語

私が株主である某企業から、配当とともに「株主通信」が送られてきました。

経営陣の考えなどがよく書かれていて、IRに熱心なのは結構なことだと思うのですが、「社長インタビュー」という記事の中で、社長に対する質問がすべて敬語なのが気になりました。

企業の核となっている「******」の強みと今後の展開についてお聞かせください。

というようにです。

文章の趣旨からすれば、社長に質問しているのは仮想的な株主であるのは明らかです。それにも関わらず、その会社の社員が作成した文章上で、社長(社員にしてみれば「弊社」の社長)に対して「株主」に敬語を使わせている、という点に違和感を感じました。


うまく説明できませんが、返信用封筒に「○○行」ではなく、あらかじめ「○○御中」と印刷して送ってこられたような、それと似た違和感です。私たちは、マナーとして、投函前にその「行」を斜線で消して「御中」に書き換えたりするわけですが、あらかじめ相手が用意した表書きに「御中」などと書かれていると、ビックリしてしまう人も少なくないのではないかと思います。