お粗末e-Tax

国税庁の電子申告システムe-Taxの使い勝手が悪く,確定申告に四苦八苦した。

あるタイミングで,「新しい暗証番号を入力してください」と促されたので,12345678などと打つと,突然「暗証番号には,大文字小文字,数字,記号をそれぞれ1回以上使用してください」などと出てくる。
満たすべき条件を初めから利用者に提示すれば二度手間にならないのに,実に不親切。また,一般人が馴染みやすいと思って使ったのかもしれないが,そもそも「暗証番号」という単語は数字のみの文字列であるとの勘違いを生みやすい。


また,使用中にe-Taxが異常終了することがあったが,その次に起動したら

前回e-Taxソフトが正常に終了していないため、選択した利用者ファイルが正常に保存されていない可能性があります。バックアップファイルを保存しますか。

というダイアログが表示された。
そもそも「バックアップファイル」という呼称は,これ以前に出てきたことがないので,何を指しているのか分からない。OKを押すと新たにバックアップが作成されるのか。それとも,前回のバックアップファイルを「利用者ファイル」として保存するということなのか。いったい何が起こるのだろう。
OKボタンを押してみたが,表面上は何も起こらなかった。


さらに,お粗末な例を指摘するなら,ソフトウエアのバージョンナンバーが更新されていない。

http://www.e-tax.nta.go.jp/e-taxsoft/190104.htmlによると,version 1.6.0は今年になってリリースされた新しいバージョンのはずだが,2004年で開発が止まったことになっている。
(あるいは,実は開発していないのにバージョン番号だけ上げているのかもしれない。)


e-Taxの使い勝手について不満な点は他にもあるが,e-Tax利用に必要な住基カードICカードリーダの入手に要する苦労については,日経ビジネスオンラインに今日出たばかりの
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070226/119783/
を読むと,雰囲気がよく分かると思う。
(技術的な面については高木浩光氏がご自身のblogなどで以前より何度か言及しており,たいへん参考になる。)