XP祭り2007 レポート vol.2

XP祭り2007 レポート vol.1 - Lucid Dreamで、翌日書くと言っていながら、ゼミ合宿やらインターン仲間との合宿やらで10日も経ってしまった。

会社の昼休みなので、整形する暇がないけど、とりあえず・・・。

以下、走り書きのメモを再構成しているので、発言者が入れ替わったり、内容が誤っている部分があるかもしれませんが、その部分の責任はすべて筆者にあります。また、内容を公開することそのものについて問題があれば、すぐに引っ込めます。

大島修さん@NRI技術調査部

遠隔地の3チームによるXPの実践例の報告。

XPのmotivationはいろいろだが、何よりも開発者が望んだ。

どっちかというと、社内はウォーターフォール文化なので、XPが得意な永和システムマネジメントとテクノロジックアートの協力を受けた。

bug trackingシステムはtracを採用。
trac-hacks.orgのニコニコカレンダーで各自の状態を共有できるようにした。

はじめは週3日ほど集合してペアプロや勉強会を実施した。
その後も、常時チャット接続して、リアルタイムな質問&情報共有を心がけた。
週40時間労働のプラクティスのためもあって、朝/夕会は極力内容を定式化したうえで、15分に限定するようにした。

その後は、同一拠点でペアプロをしたうえで、重要なものについてのみ拠点間でレビューを実施。

TDDには、Perl Unitを使った。

イテレーションは2週間ではなく1週間
隔週で顧客デモを実施し、要望を反映させた。

XPの成功事例蓄積で、社内定着につながるのではないか。

市谷聡啓さん@TIS、藤原士朗さん@TIS

社内外の温度差を何とかしたかったので、社内デブサミを開催した。

相馬純平さん(id:j-souma)@ラグザイア

トリアージ・プロジェクトマネジメントを提唱

救急医療のトリアージと同じ意味

ソフトウエアは、アーキテクトという言葉のように建築工事に例えられることが多い。一昔前のプロジェクトならばよかったかもしれないが、現在も正しいのか?

そもそも、誰も作ったことがないものを作るのに対して、「見積もり」が成立するのだろうか。
現在では、技術が複雑化したこともあって、さらに見積もりは困難になっている。

要求増加や変更に対応しづらいし、検討そのものに工数がかかるうえ、末端のプログラマにしわ寄せがくる。

その一方で、XPイコール開発者天国という認識もあるが、見積もりなしでコンペに出たり受注したりできるだろうか。
XPを部分適用するなら可能だが、それだけでは無理。

「反復を短くするとアジャイルになる」は誤解。
そもそも、アジャイルボトムアップの方法論であり、トップダウンではないから。

感覚としては、アジャイルというのは保守の繰り返しに近い。保守というのは、既存のシステムを理解して、リファクタリングを施す過程であるからだ。

プロジェクトの目的は、有限リソースで、より多くの価値を「救う」ということ。
分類を行うこと自体は、対処する上では前提となるので、それほど重要ではない。

すべての機能や方法を決めずに、目的、いわば「プロジェクト憲章」的なものに向けて頑張って、それを実現するというイメージ

先ほどの、ライブ開発でも、結局はHTMLタグを手打ちしていた。UIの開発方法論が進化していない。この流れは、Adobe AirやMSのSilverLightなどで変わるかもしれない。


アジャイルに適した契約形態とは

  • 一括請負契約は受注側にリスクが大きい
  • SES契約は発注側にリスクが大きい
  • そこで、準請負契約
    • 納期・コストを固定
    • 機能は固定しない
    • 実際に作ったものに対してのみ瑕疵担保責任。時間が足りなくて作らない、作れなかったものに対しては責任を負わない。

本来、価値の単位は、「ユーザ登録」や「ログイン」のようには分けられないはず。