アメリカのチャイルドシート

アメリカは州ごとに細かな規定が異なったりしますが、小さい子供をクルマに乗せるにあたってチャイルドシートの利用が義務づけられている点については日米変わりません。

昔々のチャイルドシートはシートベルトのみで据え付けるものでしたが、最近ではチャイルドシート専用の器具で固定するものが多くなり、日本でも車そのものにもISO-FIXの設置が義務づけられたりしています。アメリカではISO-FIXの元となったLATCHという規格がデファクトスタンダードで、ほとんどの市販チャイルドシートがISO-FIXではなく「LATCH対応」を謳っています。この「LATCH対応」のチャイルドシートですが、私から見ると課題があるように感じます。クルマに埋め込んである金具との固定にストラップ(ひも)を使ってと固定するタイプが多いのですが、チャイルドシートを安定させるためには、このストラップをかなり強く締め付ける必要があり、設置の難易度が高いです。また不安定さを補うためのテザーアンカーが付いているのですが、これの取り付けを忘れている場合も少なくないようです。

日本で売られているISO-FIX対応のシートで、チャイルドシート側の骨組みから直接金属のレール上の金具が伸びていて、それをクルマの金具へガチャリと固定できるタイプのものがありますが、それをストラップタイプと対比してRidged LATCHと呼ぶそうです。金具で固定されるのでチャイルドシートはしっかりと安定し、それでいて取り付けに必要な時間もずっと短いです。このタイプは日本だと簡単に手に入りますが、残念ながら通販でも店頭でもアメリカではほとんどみかけません。

私がアメリカで1つめに購入したチャイルドシートも、やはり「LATCH対応」でToys"R"UsやAmazon.comでもよく売れている標準的なチャイルドシートだったのですが、ストラップで固定するものでした。かなり頑張ってストラップを締め上げたつもりでも、高速道路のランプなどで強めの横Gがかかると、チャイルドシートがグラグラと左右に大きく傾くことがあり、保護性能に不安を感じました。(沈み込みの大きなクロスシートだったせいもあるかもしれません。)結局、この「LATCH対応」のチャイルドシートを数ヶ月使った後で、日本でも馴染みのあるMaxi-CosiのRidged LATCHタイプをアメリカ国外から輸入して取り替えました。(実はアメリカでもMaxi-Cosiのチャイルドシートは普通に販売されているのですが、なぜか大半がストラップのLATCH対応です。)

ちなみに購入先はドイツの通販サイトで海外発送してくれているところを使いました。年の瀬のホリデー・シーズンに注文しましたが3週間ほどで西海岸まで届きました。送料は約80 EURでした。全く同じ型番であるにもかかわらずドイツでの販売価格が日本と比べてずっと安かったこともありあまり気にしませんでしたが、もしかするとメキシコやカナダなど近場から更に安い送料で手に入るかもしれません。

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ところで、米国内で販売されていないチャイルドシートは、厳密に言うとアメリカの基準に合致していないものもあるため、警察などに問題視される可能性があるという指摘も目にしました。テザーアンカーの有無あたりが問題になる可能性があるようです。新たに輸入したものに限らず、日本から持ち込んだものも注意が必要かもしれません。