E・Mobileをゲートウェイとして使う

PCカードタイプなどのE・Mobile端末でインターネットにつながったWindows XPマシンを、ローカルネットワークのゲートウェイとして使う方法です。

E・Mobileしか接続方法がない場合に、E・Mobileに対応していないマシンや、複数台のマシンを同時にネットにつなげたいという時に有効です。といっても、話は単純で、Windows標準のインターネット接続共有(ICS)を使うだけです。

キモは、E・Mobile付属のユーティリティ(ダイヤラ)を使っていると、E・Mobile用のダイアルアップ接続がネットワーク接続の一覧に現れてこないので、付属ユーティリティではなく、Windowsで新しくダイアルアップ接続を作成しなければならないという部分です。というのも、ICSの設定をするには、ネットワーク接続の一覧で、共有したい接続のプロパティを操作する必要があるので、手動で新しく接続を作ってやる必要があるのです*1


1. ダイアルアップ接続を作成する
コントロールパネルの「ネットワーク接続」を開き、「新しい接続ウィザード」を開く。「インターネットに接続する」→「接続を手動でセットアップする」→「ダイアルアップモデムを使用して接続する」の順にクリック。「ISP名」は適当に"EMobile"などと入力し、続いて、以下のとおりに情報を入力:

電話番号:    *99***1#
ユーザ名:    em
パスワード:  em

2.作成したダイアルアップ接続を共有する
さきほど作ったダイアルアップ接続("EMobile")が、「ネットワーク接続」の一覧に追加されているので、アイコンを右クリックしてプロパティを表示する。「詳細設定」タブの「ネットワークのほかのユーザに〜」にチェックを入れ、下のドロップダウンリストから共有先(ハブなどをつないで、別のコンピュータが接続してくるネットワーク。1つめのポートの有線LANなら「ローカル エリア接続」。)を選択。


以上で設定完了。これで、設定を施したWindowsマシンが、共有先のネットワークに対して、ゲートウェイ(NAT・DHCPサーバ機能付き)として動作します。
如何せん、E・Mobileはパケットの遅延が大きいので、SSHのようにスループットよりもむしろ遅延に敏感なアプリケーションは、どうしても使いづらく感じてしまうのですが、webとメールといった程度の用途であれば、わざわざADSL光ファイバの接続系を用意しなくても、アクセス系として十分に使い物になるような気がします。それを考えると、ISP料金込みで5000円ちょっとという料金も、改めて良心的なものであるように感じられます。



なお、ICSについて、NATをソフトで処理するせいでCPU負荷が高めになるという記述を見かけたことがあるような気がしますが、手元のマシン(Core Duo T2600、2GB RAM)のマシンでは、顕著な負荷増加は見られませんでした。

*1:Windows標準の仕組みを使う副次的なメリットとして、自動再接続があります。E・Mobileのダイヤラでは、接続が切れても通知ダイアログが出るだけで再接続をしてくれないのですが、Windowsのダイヤラでは、電波状況などによって接続が切断された場合に自動再接続ができます。これは、ICSを利用してマシンをゲートウェートして使わない場合でも便利だと思います。